時を越えるブラックインテリア

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今時のポルシェの、
かっこいいインテリアカラーといえば、
ルクソールベージュや、
ボルドーレッド
これぞ「ざ・高級車」という感じ。

続いてサドルタンや、
グラファイトブルーあたりだろうか。
しかも最近はツートンカラーも選べたりと、
インテリアの質感は、
ますます高まっている。


例えばレッドのインテリアカラーが、
モデルやグレードによって、
選べないというのは、
ポルシェのよく出来た仕組みで、
相変わらずカスタマー泣かせだ。


987の時に、
ルクソールベージュに随分惹かれたが、
安牌に組み上がっていた、
ブラックのインテリアが愛機となった。

天気がいいとフロントガラスに反射する、
などごちゃごちゃ言われたが、
ルクソールベージュがとにかく欲しかった…


しかしながら、
ひとたび乗り始めてしまえば、
ブラックのインテリアに、
見直すべき点は意外とあった。

土禁車でもないので、
土足のまま車内に踏み込めば、
たちまち足元に汚れを持ち込むことになる。

大きな荷物や、
角ばった荷物を積み込む際に、
軽くシートなどを擦ってしまうと、
明るいカラーの素材はたちまち汚れてしまう。

そして何より飽きが来ない。


普段使いを難なくこなすポルシェにとって、
いちいち小さいことを気にして乗るのは、
少々もったいない気がする。

ある程度毎日、
ガシガシ使ってこそ、
味が分かるというか、
価値が分かるのが、
911の醍醐味でもある。

そうなってくると、
俄然具合が良いのが、
ブラックのインテリアなのだ。


また、
中古市場に於いては、
この先何十年も、
911モデルは存在し得るわけで、
そうなってくると、
いわゆる経年劣化や使用感が、
徐々に蓄積されていく、
これは中古車として避けられない。


ルクソールベージュの、
ハンドルや、
フロアマットが20年先も、
同じような色合いをして、
今のようなハリツヤを保って、
ケロっとしてくれていたら嬉しいが、
実際はなかなかそうもいかない。

10~20年経ち、
各パーツの交換が発生した際に、
同色インテリアの中古パーツがあれば、
そっくりそのまますり替えられるが、
これがこの手の貴重色となると、
代替パーツはなかなか見つからない。



特段色気もないが、
凡庸であるブラックのインテリアは、
普段使いにも強く、
経年劣化にも強く、
パーツ代替の許容範囲も広い。
実は良いことだらけ。

実際、
写真のコクピットの様子は、
凡そ20年以上前のクルマであるが、
古臭いという感じはしないだろう。

ある意味で、
古風と言うか、
オーセンティックと言うか、
落ち着き払った雰囲気さえ感じさせる。

ブラックという色合いもあるが、
車内に一切のデジタル表示がないことも、
大きな要因となっていると付け加えておきたい。


そして、
よくよく写真を見てみて欲しい、
仮にルクソールベージュの色味だったら、
RECAROフルバケ
NARDIステアリングは、
色合い的な組み合わせは、
なかなか難しいというのも事実。


それでもたまに、
貴重なインテリアカラーの、
空冷ポルシェなど見付けてしまうと、
他人のクルマでも、
思わず車内を覗き込んでしまう(笑)



結論からすると、
旧車となった993にとって、
当初凡庸と嫌っていたブラックだったが、
チューニングと言う自分色に染めていくには、
この上ない好素材であったと言える。
(完全に結果論だが)

クルマ選びは奥が深い。