C63Sはメルセデスの延長線上に存在しない

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この1週間のC63Sとの生活は、
非常に得るモノが多かった。


まずC63S、
こいつぁマジでめちゃくちゃに速い。
510馬力を大気に解放すると、
もはや他のクルマが止まっているかのような、
そんな速度領域にホントにすぐ到達してしまう。
(トルク特性もフラットだから体感的にもアッサリ速い)
(35GTRのドライバーもちょっとエッ?!という目をしてた)

全体を通して感じたのは、
やはり後輪駆動の2駆は軽快感があって、
良きクルマっぽさが残されていて、
クルマ好きには有難いということ。

昨今のベンツラインナップは、
4MATIC化が進行しているが、
やはり味わいとしてクリアなのは2駆だったという事実。

後輪の2駆で510馬力を伝達しているわけだが、
この後輪の「これでもか!」という位の躾感というか、
囲い込み感ある制御っぷりは秀逸極まりなく、
超電脳優秀電子デフがなせるワザだと思う。

レースモードで首●高を攻め込んでみても、
リア周りはしっとり落ち着きを保ったままで、
リアがビリビリと流れ出すようなニュアンスは皆無、
レースモードでも制御が入っている限りは盤石と断言。

むしろコーナーリング中に、
さらにイン側にノーズを向けようと、
デフ側から働きかけているように感じられ、
詳細は不明だが、
「このクルマもしかして後輪に逆位相操舵付き?」
と感じるほどコーナーリングがスムーズだったのが印象的。


まぁでもクルマというのは不思議なもので、
このC63S、
最初に3日は楽しくて楽しくて、
キャッキャ振り回していたが、
3日目位になると多少の食傷感が、
早々に表れてきたのはこれまた意外だった…

何と言えばいいか、
毎日使うには多少疲れる感じというか、
ライド感全体が華美な味付けなため、
若干のウザったさを本能的に感じたのは、
自分としてもかなり驚いた。


1週間後、
C43に再び乗り換えると、
C63S漬けの日々で、
そこには随分とシラけてしまった自分がいるかと思ったが、
実際は結構逆で、
「あぁ随分と落ち着いててラクだなぁ」だった。

今回C43とC63Sを乗り比べてみて分かったのは、
C43はメルセデスの延長線上にあるクルマで、
C63Sはメルセデスの延長線上には存在しないクルマ、
というかなり根本的な違いがあったということ。

C43はどこまでいっても、
C350の延長線上の先で開発されたクルマ、
メルセデスのカラーが色濃くあるAMG。
(メルセデスの逆算から作り出されたAMGとでも言おうか)。

一方でC63Sは、
最初からC63としてAMG考えて作ったクルマ、
AMG謹製スペシャルカーでやっぱりAMGなのだ。

C63S、
確かに走行性能や官能性は澱みなくスペシャルだが、
いわゆる「メルセデス風」の躾は少ない。
(これがE63とかになると多少違うのだろう、きっと)


まわりくどい書き方をして、
結論としてC43なのか?C63Sなのか?
と言われると正直な所かなり悩ましく難しい、
というの本音だ。

空冷911の相棒として考えれば、
C63SよりC43の方が相応しく、
日常性の懐も深く、
精神的にも安楽感が強い。

もし仮に空冷911を持たず、
ベンツ1台でやりきるのであれば、
C63Sというチョイスで間違いないだろう。


クルマ選びは奥深い。