街中色気不足のA90スープラ

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写真は試乗車の SZRグレード、
3種類あるグレードの中で真ん中に位置するグレードだ。

まずは、
ドア開けたらいきなりブッタマゲ…!

「とぅるーん♪とぅるーん♪とぅるーん♪…」

そう、
BMWのあのアンサーバックの音が、
トヨタのスープラに採用されていたのだ。
(バックに入れると、やっぱりこの音が流れる…)

BMWとの共同開発車両とは言え、
アンサーバック音のような、
インフォティメント部分まで共有されているとは…
まずはここに驚いたという所から入っていこう。
(この影響を受けて、ウィンカーレバーも左採用となった)


外装やアピアランスから。

GAZOOラインでのリリースとは言え、
純正状態でのエアロやボディラインは、
従来の国産スポーツカーの完成領域を遥かに超えており、
最初から社外エアロパーツを纏っているような、
既にかなりカッコイイ仕上がり。

最上位グレードの6発のRZ、
中間グレードの4発のSZRには、
純正でパイロットスーパースポーツが採用。
(このタイヤ採用の時点でやや感じていた事が後ほど…)

ルーフ部分は空力を考慮され、
センターが落ち込んだデザインとなっており、
従来の国産スポーツカーでは考えられないような、
結構なえぐいデザインとなっている。
(当然これによりサンルーフの設定はなし)

横から眺めると、
リアタイヤの前端が、
ほぼシートポジション後端に位置していて、
ドライバーのほぼお尻の部分に、
リアタイヤをポジションしているのは、
ドライバーにかなり忠実なインフォメーションを与えるだろう。


もう乗り込んでしまおう。

サッシュレスのドアは2ドアらしく細長いが、
その開閉感触はもう少し丁寧な質感でもいいかもしれない。

シートは全ての調整が電動となっているが、
調整を施すとホールド感も適度に良いが、
長距離ドライブも難なくこなせそうな、
そんなファットのある高級感あるシート。

いつも通りかなり深いポジションを取ると、
ステアリングが遥か遠くになってしまったが、
チルトの調整幅がかなり広い設定になっており、
かなり手前までステアリングを持って来る事が出来て、
このクルマがどうやって乗って欲しいのか、
というDNAを強く感じる事が出来た。
(今回の試乗で一番嬉しく好感触だった部分!)


走り出そう。

サイドミラーを合わせてみると、
リアフェンダーの峰は結構高く出っ張っており、
ちょっと911のような画がミラー越しに映る。

フロント255タイヤを履く割には、
比較的軽めなステアリングレスポンスで、
かなりアシスト量は効いている感じがする、
ステアリングの握りも今流行りでやや細め。


1450キロの車重の割には、
動き出しや身のこなしが軽く感じられ、
クルマのバランスの良さと素性の良さを感じる。
(もう少し重め、もう少し打ち返しが欲しい気もする)

一方でエンジンは、
2リッター4気筒ツインターボで、
約260馬力でトルク40キロだが、
正直出力特性は衝撃的にモサいと感じた。

ボディやアシの出来の良さが目立つ一方で、
この出力特性はちょっとバランスを欠くというか、
精彩を欠く印象を受けた。
(今回の試乗で一番ガッカリした部分!)

正直なところ、
街中の試乗ルートでは、
スープラの優秀さを感じ取ることは出来たけど、
スープラのエモさを感じるには全く至らなかった。

これが、
86/BRZだと街中でもちょっとしたエモさを感じて、
いわゆる低速域でもある種の楽しさがあって、
試乗しただけでも欲しくなったりしただろう。


今回のちょっとした試乗で感じた感想としては、
「スープラは随分と高速領域」での、
スタビリティやパフォーマンスを焦点に当てて、
開発設計された高度領域のクルマと感じられた。
(それ故にタウンユース領域では色気に欠ける…)
(どうりでスーパースポーツ履いてるワケだ…)

ほんの10分-20分の時間で感じたSZRは、
体感的に400万後半ぐらいに感じられたが、
実際のプライスタグは590万という設定で、
かなりギャップというか距離感があった。

エントリーグレードのSZで490万だが、
このクルマはクルマ小僧達に贈られたクルマ、
ではないというトヨタの答えなんだろう…
(残念だが86/BRZと比べるとやっぱり高い…)

超まではいかないが、
明らかにスープラは高級スポーツカーだ。

だから街中の試乗だけだと、
ちょっと拍子抜けというか、
アレっ?て思わせるような肩透かしを食うような、
フィールを感じた。

もっと速度域の高いところで、
このスープラを解き放って揚げると、
途端にそのパフォーマンスを見せてくれるのだろう。

低速領域やタウンユースでのテイスト、
をもう少し煮詰めることが出来たら、
いわゆる一般ユーザーにも、
振り向いて貰えるのではないだろうか。

いや、
そうではなくて、
モノホンが分かる人に向けて、
モノホンが分かる人だけに、
選んで貰えれば良いのです、
というトヨタのメッセージも垣間見られた。