1765mmの996GT3

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前期型のGT3とはこれまた渋い。

いわゆるスペチアーレの類で、
世界で1900台しかデリバリーされなかった、
選ばれし者たちに給されたクルマ。
(カタログモデルで誰もが買える訳ではなかった)

今や電子システムを持たないポルシェとしては、
空冷ポルシェを除くと、
水冷では996GT3がその最後と言えるだろう。

特筆すべきは全幅が1765mmで、
いわゆるナローボディーのまま、
ベースグレードのカレラと同じ全幅で、
GT3が放たれたということだ。
(今日見るとホントにボディがぎゅっとして小さく見える)

つまりは、
996モデル本来の魅力を、
そのままプレーンに昇華させたのが、
純粋996GT3ということだ。
(最近のGT3はもはやボディはベースモデルと別物)


クラッチの踏力具合や、
シフトリクエストの小気味良さは、
997GT3になると突如殺人的ソリッド感を見せるが、
996GT3はまだ人肌感があって、
ある種ドライバーに優しさが残されている。

サーキットに持ち込んで、
ラップタイムを削ぎ落とすには、
殺人的ソリッドな要素は求められるが、
多くの人にとって、
ストリートや日々の取り扱いやすさ、
というのは大事な要素ではないだろうか?

そういった意味でも、
自分の周りでは、
997GT3よりも996GT3の方が密かに人気で、
クルマそのものを自分で操ってる感の楽しさや、
その日常での使い易さは高く評価されている。


出力特性も300馬力中盤とあって、
しっかり踏み抜けばきっちり速く、
一方で脳ミソが置いていかれる程の速さでもなく、
ラジアルタイヤで受け止めきれる範囲というのも、
懐の深さの一つとなっているだろう。


今になっては小さい部類のボディ、
各操作系の丁度良いソリッド感、
速すぎず遅すぎない適度は出力特性、
そして、
ほぼ20年落ちということも合間って、
中古価格がこなれてきた996GT3は、
ちょっとした人気車種に躍り出てきている。
(もう空冷系のRSも高いし見当たらないし)


コーナーに進入し始めは一瞬気付かないけど、
タイヤが数回転し始めると、
明らかにカレラとは違うレーシーな、
コーナリング姿勢を突如取り始める996GT3…

やっぱり只者ではない。