ロータスとポルシェ

IMG_6355.jpg

ロータスエリーゼ、
フラットな路面を走らせると鬼速である。

約1000キロ、
約200馬力というスペックで、
青銀ポル993とヨーイドンでの加速はほぼどっこいだろうか。

高速道路でも●00キロ近い速度域まで引っ張っても、
外から見た感じ破たんしそうな雰囲気はまるでない。

レーンチェンジや旋回に関しても、
993より半歩上をいくような俊敏さ、
ルームミラーに映る姿に明らかに鋭さが見える。
言葉でいうなら正しく「ヒラリ」という感じだ。

ただしターンパイクに入ると状況は一変、
登り勾配セクションになるとトルク不足で一気にトーンダウン。
フラット路面と下り路面専用車という印象を受けた。
この線の細さは非常に惜しい。

クルマの造りはレーシングに極めて近く、
バケットシートに小径ホイール、
オルガンペダルに超低重心ポジション、
極め付けはぶっといサイドシルを持つバスタブ構造。
1つだけ気になったのは、
フライホイールはもう少し軽くてもいいという印象を受けた。
ほぼカートに近いフィーリング。

正直日常生活で乗り降りすることは、
ほぼ不可能という低さと狭さであり、
あの数10センチはあるサイドシルを毎回跨ぐのは、
現実的にかなり難しいものがあったのもまた事実。

しかしながら走り始めてしまえば、
クルマを操る喜びはフツウのクルマ以上に鋭くダイレクトで、
その魅力は全身にビシビシと伝わってくることは間違いないだろう。
単身者もしくは余裕のある2台持ちユーザー向けか。

峠が至近距離にあり、
2台体制の生活であればエリーゼのような戦闘機を、
ガレージに潜ませるのはこの上ない幸せだと思うが、
現実生活を見るとエキシージではなくエボーラがやはり限界点だろうか。

その点で考えれば、
やはり911を筆頭にボクスター/ケイマンなどは、
スポーツと日常をリアルに融合させた工業製品であり、
極めて現実的に検討出来るクルマであると改めて実感した。

600万から始まるプライスレンジは、
あともう少しだけ本当にあと少しだけ、
例えば495万スタートとかであれば、
今よりも多くの人がロータスの魅力を知ることが出来るはずだ。
600万というのは外車では非常に難しいゾーンにある。
試乗だけでも行くことを強くオススメしたい。

イギリスの英国紳士が真面目に取り組んだロータスの思想設計と、
ドイツの巧みな工業技師が真面目に取り組んだポルシェの思想設計、
モノ造りへのアプローチの違い具合も、
これまたクルマを選ぶ時に楽しみである。

仮にだが、
エボーラは一度所有してみたいクルマであることに間違いはなく、
その走りはもしかすると今以上に刺激的であるように思える。
一方でポルシェを所有することのような、
ある種のワクワク感やキラキラ感を覚えないのはナゼだろう。
ロータスの一番の課題はココにあると思っている。
ブランドそのものがフィーリングとして感じにくいのだ。

バスタブ構造でもはや、
ドアの開閉具合など剛性的にはどうでも良いのだろうか、
その質感を無視したかのようなドアの閉まり具合には、
正直911の味を知っている人からすると愕然とする感覚であろう。
エンジンも特段官能的でもない。
エリーゼの評価点はフットワークに尽きる。

やはりアルカンターラに包まれた、
エボーラのような質感と走りを両立したモデルこそが、
サウンド的な美点からしても最も理想的である。
ちなみにエボーラも乗り辛いことは同じくだ。