993ターボを駆る

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最初に結論を書いておくと、
C2とは全く別物と割り切った方がイイ。
全くもって、別物である。


いつの時代も、
世代の頂点に君臨するターボ
ある意味でその世代の象徴であり、
完成形でもあるターボ

993ターボは、
初のAWD機構を取り入れたターボ
初のツインターボシステムを導入したターボ
そして空冷エンジンとしては最後となったターボ、
この先のターボ史の中で、
明らかにエポックな1台として語り継がれていく993ターボ。

そんなメモリアルな、
993ターボをカラダいっぱいに感じてきた。


3日間を通して、
雨のフルウエット、
峠セクション、
超高速のハイスピードセクション、
とほぼ全てのシチュエーションを、
を縦横無尽に走った感想を記しておく。

まず、
個体の問題でもあるが、
写真の通りとにかく最低地上高が低いので、
峠セクションで不正路があると、
都度減速しながらクリアし、
スタンドに入る際も、
クルマをひたすらに斜めにして、
そろそろと操る必要があった。
(でもストローク量などはしっかり確保されている)

面倒は面倒だったが、
やはり地上高が低いこともあり、
ブラックのボディカラーと相まって、
見た目&ルックスは抜群にキマっている。
どうだろう?

乗り味は、
出力的にも挙動的にも、
全体的に「幅広い」「懐が広い」という印象。

今回は全開アタック出来たことで、
先回のターボSの時よりも、
かなり車両本来のポテンシャルに迫ることが出来た。


まず挙動と動き。

シャーシポテンシャルが、
4S系と同じくとにかく前方フロアが強いので、
ウェット時でも終始盤石の安心感がある。

好みは別れるかもしれないが、
確かにヒラヒラ感や、
自分で常に支配下に置いている感は、
RRの方が強いが、
長距離ドライブや天候などを考えると、
4系の方が疲労感は圧倒的に少ないだろう。

特に超高速コーナーで、
●00キロ以降でコーナリングを開始すると、
前論アウト側の脚の仕事っぷりが顕著で、
しっかりとフロントが仕事をしているので、
自信を持って舵を切りつつ、
そこから更にガスペダルを踏み込んでいける…
(ここまでは4Sと凡そ同じか?)

駆動方式としても、
かなりの高速志向な思想設計であるし、
パワーの出力の大きさからしても、
正直C2とは異次元であると断言出来る。
●50位まではトンとすぐに到達してしまう。
(ここまで来ると4Sとも違ってくる…)

駆動方式からしても、
出力的な差からしても、
超高速フィールドで、
C2とターボがタメを張ろうとするのは、
改めてキケンと無謀感があると感じた次第。
思想設計やディメンションなどは正しく理解する必要がある。
(つい気合いが入って躍起になりがちだが…)
(ちなみに、ターボ車内は●00以降でも平然とした雰囲気を保っていた…)


ゆっくり走ってみよう。

街中の渋滞をトロトロ走っても、
ストレスなく使えるのも993ターボの魅力なのかもしれない。
低回転域でもモタつきはない。

一つ一つの操作が、
良い意味でキビキビしておらず、
「ゆとり」があるのでドライバーに優しい。

多少の固体差もあるだろうが、
特にクラッチの軽さが何度乗っても感動モノで、
3日間これに慣れてしまった後に、
青銀ポルのRSクラッチを久し振りに踏むと、
本当に一瞬であるが「これ壊れてる?!」と思う程の違いだ。

964ターボの負圧域はダルいとよく言われるが、
993ターボではそんなことはまったく気にならなかった、
3.6リッターの素のトルク感もさることながら、
極低速域からでも小径ツインターボが稼働することで、
モタつくなんていうフィールは一切なし。
さすが高級車というべきかやはり超優等生。


実際のところ、
993ターボに搭載されている過給機は、
アイホンより少し大きいほどの、
随分と小さいタイプの過給機で、
これがM64の左右に2機掛けされている。

993ターボは大まかに、
3種の仕様が存在している。
(GT2は意外と奥深いのでここでは割愛)

M64/60 タービンKKK-K16 408馬力
M64/60R タービンKKK-K16 430馬力(パワーキット1)
M64/60S タービンKKK-K24ハイフロー 450馬力(パワーキット2)

408馬力は標準のターボ、
430馬力はいわゆるターボS。

標準のターボにパワーキット1or2の、
オプション搭載車というのもあるらしく、
グレードは標準のターボなのに、
エンジンは450馬力という仕様もあるらしい。
(意外や意外にターボの仕様は多岐に渡り奥深い…)


総じて、
993ターボは、
峠仕様というよりは、
ハイウェイスピードスターと言うのが相応しいかもしれない。

過給機の吸気音と、
ターボ車特有の轟音のような排気音を聞きながら、
シートにカラダがめり込むような加速を感じるのは、
選ばれしドライバーだけが味わえる至高の瞬間だろう。


タイヤはネオバを履いていて、
フロントの新品は問題なくグリップしていたが、
リアは使いかけの265を引っ張って履いてるせいもあり、
超高速走行になるとやや腰砕けというか、
リアの駆動力に負けているようなフィールを感じさせた。

現代の超ハイグリップタイヤを、
多少引っ張ったぐらいで不安感を感じさせる20数年前のクルマ…
どんだけすごいんだ一体…