911をスピンさせよ!

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ワンスマの広場トレーニングに参加してきた。
場所は富士スピードウェイのP2駐車場。
費用は36,000円(昼食費込み)。

広場トレーニングということでコースを走るのではなく、
広大な駐車場にパイロンを設けて、
オーバルコースを作ってみたり、
そこに散水車で水を撒いて低ミュー路を作ってみたりするプログラム。

結果からすると非常に良い。
オススメする。

講師は澤圭太選手と東徹次郎選手の2名、
参加車はポルシェ限定で全12台、
そのうち空冷ポルシェは4台、
講師1名につき6台を管理・レクチャーしていくという流れ。

今回学んだこと。
「ブレーキングは直線のみで終わらせず、コーナー進入からCPまで残す」
「CPに必ず寄せることより、次のコーナーや出口との具合でベストラインを探す」
「タイヤのグリップを使うには、コーナー進入時にブレーキングで荷重&抜重を行う」
「コーナーリング中の舵角は一定ではなく、深いポイントの際には腕がクロスするまで操作してロール量を保つ」

どれも今までのドライビングのセオリーや、
自分が信じてきたものとは違う点が多く発見が沢山あり、
クルマを支配下に置くということの難しさと楽しさを体感できるプログラムだった。
特に911系は「ブレーキングはストレートで終わりにして、出口に向けてアクセルをドンと踏んで出ていく」、
というのが頭にはびこっているのが事実。
たぶんこれは911に限らずストリートで事故らないための不敗神話なのだろう。

ポルシェの中でも特に911系は、
RRレイアウトということもあり、
モーメントが最後部あり、
かつ300ミリ近い極太タイヤを履くために、
「基本的には」リアは極めてブレイクしにくい。

今回はこの「基本的には」をブチ壊すプログラム。
意図的にスピンを誘発させる動作を行い、
その過程でタイヤのグリップが一番おいしいところを探る練習。
この練習をするといつもタイヤの何を使って走っていたのか…

ケイマン・ボクスター系は比較的ブレイクが早そうに見え、
911はあーくるなくるなの前置きから逝くが、
ケイマン・ボクスターはあっという間に逝く感じ。
ちなみに911は噂通り逝き始めたらほぼ100%還って来ず…

ちなみに他の人が走行している様子を、
外から眺められるのだが、
上手くいったどうかは外から眺めているだけでも結構よく分かるものだ。
またクルマの挙動や荷重のかけ方というのは、
同じクルマでもプロとアマでは鮮やか過ぎるほど違うということもよく分かった。
これは月並みな表現で惜しいが「荷重移動」のテクニックの差だ。

ハンドルを切るということ=曲がることと捉えがちだが、
実はコーナーでの「ロール量を一定に保つため」にしている動作ということ。
どうしても目からの情報でその方向に舵を曲げているように認識しているが、
それは違っていたということに目からウロコ。
ちなみにこの舵角を結構切ったコーナーでの脱出で、
ハンドルが戻りきっていないのにアクセルを空けるとお釣りをもらうという恐怖も…


そう気づいてみれば、
どれもこれもストリートでの定石とされていることとは大きく違い、
またストリート上では気付けないようなことばかりがレクチャーされる結果となった。

一方で週末のストリートでのランの際に、
ままこれらと同じアプローチをしてコーナーへ進入したとすれば、
それはきっと限りなくキケンであるというのもまた事実である。

たぶん理想は、
こういうモノホンのサーキットテイストのドラテクを、
部分的にうまいことストリートに溶かし込んでいって、
ストリートでの走りを一枚上のモノにしていくことだろう。
フルマラソン走る人も50-60キロ走ったりしているのと同じだ。

にわかサーキット組というのが元来嫌いだが、
ストリートで速く走るにはやっぱりサーキットで限界領域の動きを学ぶこと、
そして我流のみで自らの可能性をスポイルすることなくプロに王道を学ぶこと、
これらの重要性を身をもってして分かったので、
またしばらくしたらクローズドコースでの練習をプロに見てもらいたいと思った。

ちなみに今回はポルシェオンリーの会だったので、
クルマを並べるにも待ち時間であっても、
その全てが贅沢なものに感じられ、
また共同体的な雰囲気もあり非常に良かった。
そしてポルシェオーナーは皆人格者であると再認識させられた。


最後に付け加えておくと、
ブレーキングに関しては先のスクールで、
片岡龍也選手に教わっていたのでそれを活かすことが出来、
今回のスクールの結果となっていたのは間違いなく、
ドラテクの上達は「自分のクルマのプロによる走りを何度横で感じられるか」が勝負である。

片岡龍也選手、初期制動の立ち上がりとクルマの左右への荷重のかけ方、
澤圭太選手、一定荷重によるロール発生と一瞬の片手ハンドルによるカウンター、
東徹次郎選手、コーナーリング時のステアリングのクロス具合と丁寧なドライブ、
いずれのプロドライバーも見たことのない青銀ポル993の限界領域を見せてくれた。
プロ同乗走行で改めて確信したのは、
セミバケットシートはまったく役に立たず意味がないということ。

手の握力が抜けるような筋肉痛に襲われているが、
無駄な力が入りまくっていたと思うと、
いかに躍起になって取り組んでいたかがよく分かる。