時空を歪めるエンドレス6POD

IMG_4198.jpg

アウディS3速し。

脚はKWのver3、
CPUは書き換え350PS、
シートはレカロのフルバケ、
そしてエンドレス6POD…
(ツボを押さえたチューンに前触れを感じる…)

ドアの開閉感覚は、
まんま街乗りクルマと言った感じ、
車高も特段どうと言った感じでもない。
雰囲気は極めて普通を装う。

エンジンは、
センターコンソールのボタンを押し込んで始動、
平然と火が入り、
サイドブレーキボタンに手を掛けて、
セレクトレバーでDレンジセレクト。
ここまではA3と同じだ。

Sモデルらしい、
肉厚でシェイプされたステアリングは、
明らかに電子電子したリアクションを見せるが、
確実に信頼できる感触を訴える。
バケットシートはやはり安心感の源だ。
(標準車のA3内装の雰囲気は全く異なる)

狭い室内は、
全高の低さを乗り込み時に感じさせるが、
走り始めて前方に目をくれ始めれば、
気にならないどころかある種利点なのかもしれない。


それにしても、
一転がし目で鮮烈に感じるのは、
「車両全体の剛性軸がAピラー付近に集中していること」
FFベースとは言え、
フロントフロアとAピラーを中心に、
物凄い補強された感を受ける。
(A3をヤマで振り回したことがないので比較は出来きず…)

故に、
舵は随分とドライバーにシュアな味付けで、
実際に旋回挙動も積極的にフロントが入っていくという、
FFベースの4WD設計であることにすぐ気づける。

KWとコンチコンタクトが生み出すそれは、
しなやかであるものの良い腰の残り具合、
車重と車高に見合った適正ロールを発生させる。
とりわけ下りではインフォメーションが豊かだ。
(組み合わせとチョイスが適正であることが伺える)

調整して温感2.3-2.4付近で挑むと、
コンチはバタつきもせず、
本当にいい具合でネバりながら、
確実にラインをトレースしていく。
(コンチのこの地味ながら誠実感のある感触は好感!)

ひとたびアクセルを床まで踏みつければ、
350PSは怒涛の加速を披露する、
この加速感は10年前のランエボの350PSより、
スマートで出力特性が素直、
低回転からしっかり回っている証拠だ。
シフトチェンジ音は今風のボムボムバムバム系だ。


「大人3名乗車のテストランだが」
S3はコーナー遥か手前で到達速度の速さを見せ付ける、
明らかに993で進入する速度より1.5段速い。

と同時にS3はコーナー進入直前に、
レカロのフルバケと、
肉厚なステアリングから、
基礎体力の高さを自信満々に訴えてくる。

「確実に、イケます、よ」
と一瞬でドライバーに明確に伝える瞬発力。
これはBMWのクルマ作りには少し見えづらく、
アウディクアトロ的なクルマ作りの特徴でもあり、
ある種の「分かり易い(=安心)」演出だと思う。


実は今回の話、
ここからが本番で、
ブレーキングが超ド級というのがポイント。

コーナー進入寸前、
ジェントル気味にブレーキペダルを踏みつけるやいなや、
いつもより速く流れる車窓を、
エンドレスの6PODが一気に歪み付けにかかる。
時空が引き戻されるような減速Gを発揮!
明らかにブレンボよりも、
数段強烈で明確なブレーキングを披露する。
「これが強化ブレーキの減速G…!!!」

後で聞いて驚くが、
パッドは青銀ポルと同じMX72とのことだが、
キャリパーそのものの出力が段違いで、
しかもフロントのみの強化にも関わらず、
ここまでストッピングパワーに違いがあるとは…

もちろん踏力で、
ストッピングパワーをコントロールできるが、
MAX系のフルブレーキングを仕掛けると、
キャリパーのパワーが強すぎるのか、
マスターコントロールを超えているのか、
細かくバイブしながらも想像以上の減速Gを見せる…


このブレーキングをきっかけに、
鼻先をいつもより一気にアウトからインに向けると、
フロントがガッツし即グリップ発動して、
回頭していく!

後はいつもより早目にアクセルペダルを踏みつければ、
350PSと最新デバイスのフォローによって、
猪突猛進と言わんばかりに、
あらゆるコーナーを軽々とクリアしていく。

「はぁえぇぇ、最新のクルマっ!」

いわゆるライトチューンの範疇だが、
ポイントを押さえたリファインは、
ただでさえ上位モデルのS3を、
ジリジリとRS3方向に近づけつつあるだろう。

セオリー通りにドライブすると、
鬼のような速さを見せ付けてくるS3
侮れない全能クアトロ帝国。