マカンに乗ってきた感想

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今更ながらマカンに乗ってみた。

結論からすると、
Q5よりは各部の挙動がソリッド化されていて、
いわゆる「ポルシェらしい」テイストにはなっているが、
その意図的な「味付け」感が強く、
個人的にはあまり惹かれなかった。

試乗車はマカンSで、
走行2万キロ中盤で、
試乗としてはなかなかリアル感がある車両だった。
(少しクタびれている位がポテンシャルを知るには丁度良い)


外観は前方から見ると随分大きく感じるが、
後方に回るとキュッと小ぶりな印象を受ける。
乗り込んでしまうと取り回しは、
想像以上に容易で狭い所でもグイグイいけそうだ。

マカンSはV6ツインターボで340馬力。
大馬力なせいか、
細かな、かつ薄いアクセルワークでも、
大出力が初期からガツンガツンと来る感じで、
街乗りトロトロはちょっと鬱陶しさを感じそうだ。
この点ベンツの出来は素晴らしいと思う。
(素のマカンでこれがどうなのかは分からない…)


ノーマルからスポーツモードにスイッチしてみると、
その出力特性が一気に変わるかと言われれば、
これまたそう劇的に変わるものでもなく、
随分と中途半端な感じ。
ボクスター系のスポーツモードは結構激変だと思う)

スポエグも装備されていたが、
切り替えても高揚感のある排気音は奏でず、
このモデルにこのオプション自体あってもなくても、
どっちでも良いような印象。

ブレーキも初期タッチは、
結構強めに立ち上がるが、
中盤、奥目と踏みシロを変えてみても、
ブレーキフィールがコントロールされるわけでもなく、
車重のせいもあるのだろうが、
ポルシェらしからぬ腑抜けなブレーキ演出。


サーキットで振り回したわけではないが、
そんなにスポーツスポーツでもなく、
そんなにSUVラグジュアリー感もなく、
ポルシェ「風」の味を「再現してみた」量産車という感じ。

確かに、
Q5よりロールセンターも低いように感じたし、
あらゆる方向性はストリートではなく、
スポーツ志向だと感じたが、
このクラスのSUVに、
そもそもこのテイストって必要でしたっけ?
という疑問を感じざるを得なかった。
「どっち付かず」で分かりづらいモデルなのだ。

そういった意味では、
やはりカイエンの方が、
このクラスのSUVに求められていることを、
素直に具現化出来ているプロダクトとして、
見直すことにもなった。

マカンは、
カイエンのようなSUV特性、
911ボクスターなどのスポーツ特性を、
合わせ持った新しいモデルなどと言われているが、
正直メーカー側のズルさというか、
鋭利を強く感じるモデルで、
今回の試乗を通して、
モデルの立ち位置自体に随分と疑問を持った。


もちろん、
各々カスタマーが求めることが違うので、
それにメーカーが多様性を持って応えるのはもちろんだが、
ポルシェ社が作るSUVだとしたら、
カイエンテイストの方が乗っていてもそうだし、
長期所有もしたいと思わせる力が強いだろう。
(そういった意味では、マカンGTSは試乗する価値ありかも!)

注目は、
今後マカンオーナーが、
どれくらい長期で同モデルを所有していくかだろう。

クルマの価値とは、
セールス台数だけではなく、
そのオーナーがどれだけ長い間、
愛して、かつ飽きずにその車両を、
手元に置いて置きたいと思わせられるか。

911の僚機としては、
やはりベンツに軍配が上がると付け加えておきたい。
そう言った意味でも、
ベンツの方向性はブレずにいずれも分かり易い。