964ターボ

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実は最初の最初に探していたのは964T。
空冷ポルシェの象徴的存在であり、
空冷ポルシェのホットモデル。

残念ながら2013年当時に、
987Bから乗り換えの際に、
中古車市場を見渡した際には時すでに遅し、
964Tのタマ数はもはや激減していた。
あと5年も早ければ違っていたのだろう。

どのようなレベルかということ、
大手ポルシェ中古車販売店でも、
HPに掲載されることはほぼなく、
あっても数か月に1台あるかないか。

仮に入荷したとしてもバックオーダーで捌かれるといった具合、
HP上には掲載されずに流れていくというのが実際だ。
掲載されている車両には既に買い手がきまったサクラも多い。
964Tはもうないけどこんなのありますよ、
なんていうのはしょっちゅうある手だ。

2年前で既に、
価格はASKが基本で、
場合によってはフルレストアされた車輛が、
ASK問い合わせで1200万スタートなど。

大黒辰巳で実車を見かけていたが、
いつ見ても本当に雰囲気があるというか、
纏っているオーラに圧倒された。

その後も964Tの価値はぐんぐん上がっていき、
しまいには中古車の全国在庫も両手で収まる程度に減り、
もはや通常の人が手を出せる領域にはなくなった。
空冷バブルの象徴的なプライスタグを今でも引っ提げている。


今思えば結果的には、、
993C2が自分にとっては最良の選択であった。
理由は多い。

首都高箱根のストリートを走るにはマルチリンクは懐が深く安全、
油圧アジャスタでタペット調整レスのメンテフリー、
過給機付きということで増える補機類リスクの少なさ、
何より空冷の中では時間的に最終型であるということ、
などにより結果的には非常に現実的かつ確実な選択となった。
日常生活でも使うクルマには様々なバランスが求められる。

964Tであってもノーマルのままでは、
今日的にはやや時代遅れの戦闘機な感は否めない。
ターボ過給で後輪二駆となれば、
今風に言えば突然ドカーンと来るGT2みたいなものである。

キビキビ乗るのであれば燃料噴射システムを旧式のKジェトロから、
最新式のDジェトロに変更する必要があるし、
部品構成点数が多いターボなのでトラブルの可能性も高い。

コーナなどの突っ込具合では、
964Tは若干重さという点でダルな部分があり、
カレラ勢の方がナチュラル度合が高くにインフィールドでは間違いなく優勢だ。
湾岸線などのようなステージだとまた別なのだろう。


そうは言っても、
前期も後期もあの大胆なフレアフェンダーには、
何度見ても思わず声が出てしまう美しさである。
やっぱり一度は所有してみたいという欲求にかられてしまう。
ドシっとした佇まいはあのモデル特有だ。

数年前に色んなことを自分に言い訳のように言い聞かせたが、
今日見てみても歴代ポルシェの中では断トツに美しい。
特に後期型の纏っている雰囲気は格別。
未だに大黒辰巳や大観などで見かけても、
思わず舐めるように見入ってしまう。
フェンダーの峰とリアウィングのラインがほぼ一直線…

993C2も今となってはかなり幸せなクルマになってしまったが、
964Tはその市場のタマ数からいっても相当幸せなクルマになってしまった。
どうか事故されずに盗まれないように。

最近中古車市場で、
超低走行の3万キロ以下の964Tをたまに見かけるが、
964Tに限らずフルノーマルで20数年放置されてきた不動の3万キロ車よりは、
10万キロ程度走ってきてそこそこイジられてヤレている個体の方が、
断然イキが良くて信頼出来るということは付け加えておきたい。