993が我が家に来た日

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ドラえもんのようなタイトルだが、
少しだけ振り返ってみる。

何が言いたいかというと…
空冷ポルシェをフルノーマルで買ってきたら、
最初はえらくショッキングな状態だが、
必要最低限のメソッドを施せば、
極めて鋭い切れ味を魅せる、
という話。



新車の987Bを潔く1年で売り、
当時15年落ちの993に乗り替えた。

クルマ屋から帰る道中、
高鳴る気持ちを抑えつつも、
初めての911に興奮は収まらない…


当時青銀ポルは、
フルノーマル状態で売られていた。
いわゆる「ノーマル戻し」ではなく、
実際前オーナーは、
フルノーマルで所有していた様子だ。

それは、
まさしくフルノーマルで、
シートステアリングライトなど、
あらゆる装備が純正そのままだった。
(ブレーキパッドも新車時のまま…)

ただ、
ホイールだけは、
クルマ屋の意向か売り飛ばされたかで、
19インチにされスポーツ銘柄ではなかったと記憶する。


高速に上がり、
シフトダウンして、
回転を上げて加速、
そのまま勢いよく車線変更を試みると、
突如このまま死んでしまうような気がした。

「トレーラーを運転しているのかと思った」

まったくもって、
ステア操作に全くダイレクト感がなく、
車両の動きがワンテンポ遅れて付いてくる、
そんな感じだ。
(むしろ試乗以外でRR挙動が初体験だったのも大きいか)

今思えば、
純正ステアリングの初期反応のダルさと、
純正サスペンションの完全なヘタり、
純正ブッシュ類のヘタり、
19インチタイヤのサイズ不適合、
これらが原因。


峠に入ってみれば、
タイヤは相変わらず食わず、
下りでフルブレーキをすれば、
定番のクラクション鳴りが連発。

今でこそ違和感のないシフトの距離感だが、
購入当初は向こう側の5速へ放り込む際に、
なんでこんなに手を伸ばさないと入らないのか、
たいそう不思議に感じたものだった。
(後にリンケージブッシュが砕け不動にもなる…)

シートも座りは悪くないが、
レザーのせいもありツルツル滑り、
ホールド感はまったくない…


とにかく、
987Bと比べると、
100:0で足元にも及ばない、
そんなファーストインプレッションで、
後悔の初日だったことを覚えている。

ただその時に鮮烈だったのは…

「キャビンがとてつもなく堅牢」
ということと、
「車重が全体的にかなり軽量」
という2つだった。

今日思えば、
中古のフルノーマルの状態は、
現代に於いては極めて劣勢で、
空冷ポルシェ本来の楽しさや面白さを、
教授出来るようなコンディションではなかった。

街中を流すだけだったら、
本当にそのままノーマルでもいいが、
少しでも「らしく」走るのであれば、
少しの手直しは必要だろう。

素材が良い空冷ポルシェ、
経年劣化が大きいだけに、
リフレッシュした時の激変度合は想像以上だ。