世界のVWブランドとは

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VWディーゼル排ガス不正発覚。
世界を極めたVWらしく、
大衆を極めたVWらしくない今回の一件。

争点は「ブランドとは一体何か」である。

どこの会社もビジネスをするのは当たり前で、
より多くの利益追求をするのは至極まっとうなことであるが、
多くの会社はその利益追求の醜い姿を、
ブランドというテイの良い言葉で内包し隠している。

ちなみにポルシェはニュル北コースのラップタイムを、
ブランドの1つとして揚々と掲げている。
要するにニュルをこんだけすごいタイムで走れるクルマをあなたにも、
というブランドということだ。

VWはどうだろう、
CMの度に変わるキャッチフレーズだけがチラつくが、
もしかすると今や販売台数トップだけがブランドになってはいないだろうか?

販売台数うんぬんなど、
カスタマーにとってはまったくもってどうでもいいことであり、
あくまで企業目線でのブランド作りに過ぎない。
カスタマー目線で見えるブランド作りが必要ではないだろうか。

1台でも多く世界中で販売するため、
広く大衆に受け入れられるため、
ビジネスの頂点を目指すために戦い抜いてきた、
まさしくVWらしいビジネストラブル。

彼らはそのモノづくりに、
今一度情熱やカタルシスがあるのか考えてみるいい機会だろう、
いつの間にかいわゆる「道具売り」になってしまってはいないだろうか。
少なくともVWは歴史上素晴らしい自動車リーディングカンパニーである。

御多分に漏れず、
悲劇はディーゼルという、
ビジネスの金脈に成り得るはずのところで不意に起こった。
フワリと舞い降りるはずのフェアリーは、
一夜にしてジョーカーに化けたということだ。

何を焦ったVW、
何を隠そうとしたVW、
何を目指していたVW。

ディーゼルセグメントでの競合意識、
世界販売台数に於ける競合意識、
ヨーロッパ強豪メーカー販売台数への競合意識、
世界のトヨタへの競合意識。

ポルシェもVWグループ傘下であり、
近年拡販路線に舵を切りつつあるので、
この際はっきり言っておくが、
マカンを飛びついて買うような層は、
今回のVWのような騒動が起きると大騒ぎする層である、
と警告をしておきたい。

マカンのような、
大衆に向けられたクルマこそ、
大衆に即時に喜んで受け入れられるが、
大衆に即時にやり玉に上げられるものだ。
即売れしてビジネスには大貢献するが、
何かあった時のリアクションもこれまたなかなか手痛いはずだ。

この位置にある層は、
ある種クルマを道具やツールとして捉え、
日常生活のプラスアルファ程度にクルマを据える、
なんて人は少なくないはずだ。

反対事例の好例は先のGT3炎上騒動だ。
この騒動をきっかけに二度と911やGT3に乗らない、
とツバを吐いた人がどのくらいいただろうか。
(そもそも販売台数が少なすぎるということはあるが…)

愛されてるブランドというのはそういうことであり、
そういう点に於いて確固たるブランドを持っているメーカーは強く逞しい。
メーカー側に不祥事があったとしても、
場合によってはカスタマーがブランドを自ら守るのである。
メーカーはそういう意味に置いても早急にブランドを所持すべきだ。

エントリーポルシェ、
エントリーボクスター、
みたいなモデルが度々噂されるが、
くれぐれもポルシェも自分の首をしめないよう気を付けて欲しい、
大衆化というのはブランド力を弱くする可能性を秘めている。
ブランド作りとビジネスは何処かで相反する分岐点がある。
足元をすくわれないでほしい。

とりあえずタカタのように、
早急に人命に関わるトラブルではなくて良かった、
世界のVWらしく対処すればいい。
世界のVWにお・も・て・な・しが出来るかどうかは要注目だ。

少なくとも世界のトヨタも、
明日は我が身、
もはや対岸の火事ではないという姿勢で今回の一件を見守って欲しい。

そしてトヨタも自身のジャパンブランドが何であるのか、
この際に自問自答してみるといいだろう。
少なくとも「壊れないのがトヨタ」なんていうのは、
今回の一件で一瞬にして崩壊するのは分かったはずだ。

VWがWWになれる日はまだ遠そうだ。