GT4ファーストコンタクト

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鮮烈のイエローGT4と、
ネオクラシック993が入ってくると、
外国人観光客が一斉にカメラを向けてくる。
新旧の組み合わせ興味深いらしい。

GT4のボディをよく見ると、
小さな虫たちが、
夜のスピードイエローのボディに、
沢山ひっ付いているのが見える。
黄色は昼夜問わず虫に人気のカラーだ。

ドアを開けると、
まだあの新車の香りがムンムンとしてくる…
ステアリング、トリム、ルーフ、
あらゆるパーツがアルカンターラを纏い、
さながらフェラーリのようなGT4の車内…


超高級と言われるカーボンバケットに身を沈め、
慣らし運転はいらないとは言うものの、
走行500キロにも満たない状況、
5000回転シバリでこれをドライブしてみた。


乗ってみた第一印象は…
「1800万位に感じる全体の質感」
「空冷を走らせる労力の1/3」
「フロアが抜群に強い」


GT4ディテールをお届けしよう。


シフトノブは、
金属とアルカンターラのコンビで、
ラグジュアリー感を演出。
ワイヤー制御でストロークは超絶ショート、
空冷の「腕でシフトする」は江戸時代のことか?
手首どころか、
指3本程度をヒュンヒュン動かせば、
スコスコ入っていく超優秀なシフト。
剛性感抜群で塊のようなフィール!
GT3と基本的には同じようなテイスト。


ステアリングは、
グリップ部分を全てアルカンターラに包み、
「アナタのクルマはマサにコウキュウシャです」
とココでも常に訴えかけてくる。
アシストの効き具合が、
空冷乗りだと涙が出るほど軽くて逆に少々恐怖。


クラッチは、
空冷RSのソレよりはやや軽いだろうか、
レリーズも新品とだけあって、
踏み返しの感触は元気いっぱい。
繋がりのポイントも分かり易く、
はっきり奥目にミートポイントがある。
トルクが豊かなせいで、
アクセルを煽らなくてもスタート可能。


いざっ!

5000回転シバリでも、
細かいアクセル開度に緻密に反応、
電子制御スロットルの優秀ぶりが分かる。
自然吸気特有の息が深い加速をする。
吹け上がりは軽い!


むっ…これは「軽」「速」いっ!


タコメーターで5000回転の針の位置を、
チラチラと気にしながら、
GT4のシフトを丁寧に素早く上げていく、
グーングン加速していく…

あれ?
このクルマ、
初めて運転するんだっけ…?

と疑問に思うぐらい、
シフトや回転域が気持ちよくキマル、
超絶運転しやすいGT4。

遮音材が少ないせいで車内には、
遠慮なくエンジン音が入り込んでくる。
後方に聞こえるエキゾーストは、
基本的に低音のドロドロ系。

標準装備のスポエグを開放すると、
その野太さは獰猛になるが、
GT3のように回転に乗じて音色が、
高揚していく味付けではなく、
極めてAMGライク。


低速域でクルマを左右交互に振り続けみると、
リアを流さずキビキビと一発でヨーを収束し、
「はい、次、いきますよ!」
と言わんばかりの処理速度の高さを見せる。
機動力の高さが鋭い…
全体的に「鋭敏」というファーストインプレッション。
(素性の良さもあるが制御介入もしっかりな感じか?)

ロードホールディングスは、
明らかにRRの911の方が上だが、
タイヤより上の重量物のバランス感覚は、
明らかにMRのGT4に軍配があると感じた。
(フロア剛性は982で感じたのと同じ印象)

タイムどうこうでなければ、
ここまでくるともはや「好みの領域」、
と言えるのではないだろうか。

1つ間違いなく確実に言えることは、
「このクルマを買えた人は幸せ」ということ。



気になったのは、
オプションのカーボンバケットシート
シート角度が立ち過ぎているのと、
やや広めの造りで、
ホールディングがイマイチだったこと。

純正のシートレールには、
角度調整用の穴が設けられていなかったので、
ステーでの調整や、
社外レールでの調整がマストだろう。


あと毎度のことだが、
アクセルペダルが奧目過ぎて、
ヒールアンドトゥがまったくひっかからない、
アクセルペダルのかさ上げ作業は、
GT4でもマストの調整事項だろう。

スポーツモードだと、
シフトダウンの際に、
オートブリッピングが介入するが、
直感的に数瞬遅いよう錯覚したのか、
気持ち的に不安感に支配されてしまったせいか、
イメージはあまりよろしくない。
(いや、しっかりしたタイミングで介入しているハズ)

シフトダウン&ヒールアンドトゥという儀式は、
やはり自分の手と足で、
取りはからう儀式だと改めて思った。
(命を預ける減速とはそういうモノか…)

これらさえ適宜調整してしまえば、
恐ろしくドライバーの意に忠実な、
モンスターマシンとなること間違いないだろう。



最後に、
空冷から乗り換えたいかと聞かれれば、
「乗り換えたい!」
と一瞬で思えるような、
感動的なドライブフィール。
素人があーだこーだ言えるようなケチはない。

でもなんだろうか、
アノ…
誰かが入れてくれたコーヒーの、
贅沢な上澄み部分だけを飲んでいるかのような、
不思議なフィールは…


コーヒー豆を、
自分でゴリゴリ挽いて、
フィルターでシトシトと落として飲む、
という所作は、
空冷ポルシェのエンジンに火を入れ、
クラッチを踏んで、
ミッションを入れて、
ステアリングを切って、
アクセルをゆっくり踏み込む所作と、
ある意味で似ていると感じた。

そんなことを考えさせられるGT4の初試乗となった。