耳をすませば993

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空冷ポルシェは「音」がイイ。

もちろん、
空冷特有のバタバタした、
あのエンジン音は、
メカニカルでイイ。

エキゾーストも、
チューニングを進めると、
思いのほか高音域を奏で、
これまた跳ね馬に迫る気持ち良さ。


だが、
紹介したいのは、
それらではないある2つの音だ、


1つ目は、
ドアのバチン音
ではなく、
その後に聞こえる「あの音」である。

歴代空冷ポルシェと言えば、
堅牢なボディに、
ドアを閉める際のバチン音が有名。

とりわけ、
993はこのバチン具合の響きが、
歴代の中でも、
硬くそして甲高い。

あの閉めた時の剛性感は、
船の甲板のドアを閉めた時のような、
手応えがある。
(最新の水冷ポルシェも味わえない剛性感…)

このドア、
静かな早朝や深夜に、
車内で耳を澄まして閉めると、
閉めたあとに「キーン」としばらく残響音がする。

「バチン」という閉める時の音に、
注目が集まりがちだが、
閉めたあとの「キーン」という音も、
これまたなかなか趣深く、
空冷ポルシェのキャビンの剛性度を感じさせる。



耳を澄ますと聞こえる音はまだある。
エンジンを切った直後に、
「その音」は聞こえてくる。


2つ目は、
小川のセセラギのような音だ。

空冷ポルシェは、
後方にエンジンを背負っており、
前方でオイルを冷やしている都合、
オイルラインがボディをぐるっと囲んでおり、
エンジンを切った直後には、
このラインを流れるオイルが、
小川を流れる「セセラギ音」のように、
チョロチョロとしばらく聞こえてくる。


いずれも、
エンジンを切り、
静かな状況で、
目を閉じてじっとしていないと聞こえない、
ちょっとしたオツな音である。

こんな所もまた、
空冷ポルシェの隠れた魅力の1つだろう。